到彼岸に想う命の有様とその行末

「お彼岸」は、古代から今に続く日本特有の仏事です。お墓参りをして先祖の生死に思いを馳せ、自らのいのちの本性を自覚する営みです。しかし、その真意を知る者ははなはだ少ないようです。「彼岸」とは正しくは「到彼岸」、つまり此の岸を離れ彼の岸に「私」が到ると言うことです。

娑婆の定見では、この世からあの世である。ご先祖様はあっちに行ったけど私はまだこっちにいる。いずれは私も逝くけどまだまだ早い。いつまでもこの世に未練がある。コロナ禍中で唯一学んだこと、人は苦楽に翻弄され「死にとうない 金欲しい」という迷いの欲海から出られない。

仏の教えに聴くと、此岸は欲界と言う娑婆濁世、彼岸は仏が薦める浄土の悟りです。此岸と彼岸の間には途方もなく越えがたい「我執」という壁があります。仏教はこの我執の壁を問題にします。
真宗では先に逝った者を先達と言います。自分よりも先に行ったからだ。人は仲間と言う社会を作り、互いの様子を伺いながら自らの行動を決して行く。借物の身体が滅尽のとき、その心行を先達に聞きたい。しかし、先達はもういない。だから、仏に聞くしかないと言うことです。これが彼岸の仏事を勤める者の心構えです。

今年も春の彼岸会が勤まる。先達の供養を縁に、私のいのちのありようとその行く末を仏さまの智慧を載いて訪ねてみようと想います。

日程

  19日(水) 20日(木) 中日 21日(金)
7:30

晨朝勤行
如常・和讃繰読
(本堂・蓮如堂)

住職法話(蓮如堂)

晨朝勤行
如常・和讃繰読
(本堂・蓮如堂)

住職法話(蓮如堂)

晨朝勤行
如常・和讃繰読
(本堂・蓮如堂)

住職法話(蓮如堂)

10:00 同行勤行(蓮如堂) 同行勤行(蓮如堂) 同行勤行(蓮如堂)
10:30 説教二座(蓮如堂) 説教二座(蓮如堂) 説教二座(蓮如堂)
12:00 昼食(庫裡)  昼食(庫裡)  昼食(庫裡)
12:45   仏讃歌奉唱
本徳寺コーラス部
 
13:00

彼岸会勤行
写経
(本堂)

住職挨拶(本堂)

彼岸会勤行
写経
(本堂)

住職挨拶(本堂)

彼岸会勤行
写経
(本堂)

住職挨拶(本堂)

14:00 説教二座(蓮如堂) 説教二座(蓮如堂) 説教二座(蓮如堂)

導師・法話/ 本徳寺住職  
布教 /成照星師(福岡平和寺)

20日の彼岸勤行に際し、午後12 時45 分から本徳寺コーラスの合唱と毎日読誦中に讚佛偈の写経を修業します。