到彼岸に想う私のいのち
「お彼岸」は、古代から日本特有の仏事です。墓参りをして先祖の生死に思いを馳せ、自らのいのちの本性を自覚する営みです。しかし、その真意を知る者ははなはだ少ないようです。
「彼岸」とは正しくは「到彼岸」、つまり此の岸を離れ彼の岸に「私」が到ると言うことです。娑婆の定見では、この世からあの世である。ご先祖様はあっちに行ったけど私はまだこっちにる。いずれは私も逝くけどまだまだ早い。いつまでもこの世に未練がある。
コロナ禍中で唯一学んだこと、人は苦楽に翻弄され「死にとうない金欲しい」という迷いの欲海から出られないと言うことです。仏の教えに従うと、此岸は欲界と言う娑婆濁世、彼岸は仏が薦める浄土の悟りである。此岸と彼岸の間には途方もなく越えがたい「迷妄の私」という壁がある。仏教はこの我執の壁を問題にします。
真宗では先に逝った者を先達と言う。自分よりも先に行ったからだ。人は仲間と言う社会を作り、互いの様子を伺いながら自らの行動を決して行く。借り物の身体が滅尽のとき、その心行を先達に聞きたい。しかし、先達はもういない。だから、仏に聞くしかないと言うことになる。これが彼岸の仏事を勤める者の心構えである。
今年も春の彼岸会が勤まる。先達の供養を縁に、私のいのちのありようとその行く末を仏さまの智慧を載いて訪ねてみよう。
お知らせ
2023 御正忌報恩講
2023年1月2日 行事
御正忌報恩講ご案内 拝啓 慈光照護の下 皆様にはいよいよご清祥のこととお慶び申し上げます。コロナをはじめ地政学的危機、エネルギー・環境問題・経済不況と世界は危機に直面しております。このような時にこそ、お念仏を拠り所にして新年も生き抜きたく思います。
2023 新年のご挨拶
2023年1月2日 お知らせ
新年のご挨拶 昨今を振り返り、外には一触即発の世界情勢、内には老病死を体験する毎日、内憂外患の娑婆濁世ではありますが、令和五年も無事始まりました。有縁の皆様にはお念仏の智慧を頂いて老病死を貫く限りない命に出会っておられることとお慶び申し上げます。コロナ感染の余波をかかえて新しい年が廻ってきました。出口の見えないウクライナ侵攻、三期目を手にした習近平の台湾侵攻の野望、ヨーロッパや米国、そして中国の同時景気後退が遠からず世界の金融危機の発端となることを多くの専門家が指摘しています。そんな不安のなか、改めて年頭のご挨拶をさせて頂きます。皆様におかれましては、ますますのご法義相続を念じますとともに、本徳寺の護持にご協力いただけますようお願い申し上げます。
2022-2023 除夜会・元旦会
2022年11月21日 行事
正月や冥土の旅の一里塚 めでたくもあり めでたくもなし 年を送るにあたり、仏願に照らされた1年を内省します。蔭で支えてくれた人やものに気付く智慧をいただき、感謝の念を鐘音にあらわしましょう。そして二度と来ない令和5年を迎え、南無阿弥陀仏の大慈大悲に目覚め、悔いのない大切な命を精一杯生きさせていただきましょう。
2022 秋彼岸讃仏会
2022年9月4日 行事
2022秋彼岸讃仏会ご案内9/22~9/24 9月22日から24日まで3日間、昨年通り、コロナ禍中ではございますが、お彼岸の行事を粛々と勤めさせていただきます。コロナ防疫の為、下記の対策で修業します。 行事は本堂で午後1 …
亀山本徳寺で行われた様々な催しの樣子をご覧いただけます。
蝋燭能、音楽祭、映画ロケ、モダンダンス、書道展など、本徳寺ならではの空間を生かし多岐にわたる表現の場を提供しております。