令和6年が終わり。悲惨な娑婆に身を置きながらも、お念仏に促されて、新しい年が始まります。
思えば、娑婆に生息する私たちは、多くのものに囲まれ、多様な生き方を享受しながら、その豊かさを実感できません。批判や言い訳は得意ですが、己を支えている人やものの存在に気付くことは希です。
生きていくために多くの知識をもちながら、肝心の己が何ものであるかを知りません。目先の損得には敏感ですが、事の真偽には疎いようです。過剰な人生観「如何に生きるか」はあっても、たった一つの死生観「如何に死ぬか」をもてないのは悲惨です。喜びや悲しみをかかえても、それを他者と共有することができない空しさ。こんな閉塞社会で、人はとまどい、孤立し、不安を抱き、最後の一息まで右往左往して骨になっていきます。人と自然が分離され、己と他者とが分断され、生きることと死ぬことが乖離したこの時代に、生死出離の一大事を親鸞聖人の生き方から学ぶことは何よりも大切なことです。


さて 来る1月13日より16日まで聖人の御正忌を勤めさせて載きます。人の一生は娑婆での修行。娑婆の迷いから浄土のさとりへ、仏様の智慧の世界から命の本性を見抜かれた親鸞聖人のご威徳を報恩講で偲ばせて頂きます。この度の報恩講では、初日13日に、真宗文化研究会のお勤めがあります。奥書院で抹茶の接待並びに寳物展示があります。15日には本徳寺コーラス部による仏徳讃歌の後、午後2時から報恩講式が勤まります。本願寺と同様に親鸞聖人の後一生を偲ぶ式文・嘆徳文の拝読が伝統作法に則って修業されます。万難を排してお参り下さい。

日程

  13日(土) 14日(日) 15日(月) 16日(火)
7:30  

日没礼讃<本堂>

法話<蓮如堂>

初夜礼讃<本堂>

法話<蓮如堂>

晨朝勤行<本堂>
如常・和讃繰読
法話<蓮如堂>

10:00  

無量寿経作法<本堂>

観無量寿経作法<本堂> 阿弥陀経作法<本堂>
11:00  

説教一座<蓮如堂>

説教一座<蓮如堂> 説教一座<蓮如堂>
12:00  

昼食<庫裡>

昼食<庫裡>  
13:00

説教一座<本堂>

抹茶接待<奥書院>

説教一座<蓮如堂>

説教一座<蓮如堂>

 
14:00

真文会勤行<本堂>

抹茶接待<奥書院>

奉讃大師作法<本堂>

コーラス部・讃歌
報恩講作法<本堂>

 
15:00

説教一座<蓮如堂>

抹茶接待<奥書院>

説教一座<蓮如堂>

説教一座<蓮如堂>

 

 

導師 /広教寺・ 大谷照裕師
布教使/慈泉寺・片岡妙晶師