盛夏の候、コロナ受難に沈むことなく、お念仏相続の御事とお慶び申し上げます。

本徳寺では毎年お盆に合同納骨者追弔法要を今年も8月14日(午前10:00~12:00)に修業いたします。

しかしながら、コロナ禍中の為、合同法要は左記の要領で実施いたします。

①追弔法要の時間を約一時間に短縮します。
②コーラスの讃歌は昨年に続きお休みします。。
③焼香時の混雑回避のため焼香台を増設します。
④本堂では大型扇風機を用いて強制換気します。
⑤アルコール洗浄所の設置。

お盆中は随時、ご参拝・ご焼香できますので、14日の合同法要に拘ることなく適時ご参拝ください。

なお、初盆や満中陰、年忌などで個別の読経をご依頼される方は、予め、お電話で寺務所(079-235-0242)にご連絡下さい。

 

※感染状況下に関する諸行事対策

高齢者のワクチン接種も進んでいるようで、昨年とは状況が改善されてきました。しかし、変異種の発生も多く予断は許せません。寺内でいろいろ検討させて頂いた結果、伝統的な諸行事・法要・布教を修業することに致しました。
有縁の皆様の方で主体的にご判断頂き、ご参拝されますよう願いいたします。

 

本徳寺灯籠会における歴代御影奉懸について

亀山本徳寺では、毎年お盆の時節、(8月13日・14日・15日)の3日間、御堂を切燈籠で荘厳し、歴代御影を両余間に奉懸して、歴代の法義相続のご苦労を偲ばせて頂くと共に、仏徳を顕彰して参りました。これを「燈籠会」と呼び慣わしております。この行事は本山本願寺でも古くから執り行われており、寺外に公開することなく、寺内でのみ勤めるのが習いでした。起源は江戸期のころに遡ると思われますが、お念仏の教えを相続された歴代先達のご苦労とご恩に報いるために、今の門主が歴代善知識の遺影を余間壇にご安置してその遺徳を顕彰する
事が趣旨と思われます。(盆や正月に先祖の霊を意識して、仏や神になったご先祖をお迎えするという古い土俗的な祖霊信仰とは内容を異にしていることに注意したいものです。)

当初は、本願寺門主一族を中核においた伝統的宗門の身内的な行事であったように推測できます。近世にいたって本願寺一門が制度的に固定化して行く過程で公的な色合いを帯びてきたことは間違いありません。しかし、あくまでも本願寺の行事であります。一方、本徳寺は形成以来、播州では本願寺一門として機能して来たたため、本願寺と同様な行事をすることが多くあります。その一つが本徳寺の「燈籠会」というわけです。

さて、本徳寺では、本願寺歴代御影と本徳寺の歴代御影を隔年ごとに代る代る余間壇に奉懸しています。平成23年は本徳寺歴代の御影がかけられています。本願寺歴代がご安置されている内陣脇壇を全体として外陣から眺めてみると、中央内陣に親鸞聖人と本願寺歴代(一般寺では蓮如上人)引き続いて余間には本願寺連枝として本徳寺歴代が並ぶわけで、本願寺一門の法統相続の視覚による具象的表現が実現しています。

ちなみに本願寺歴代は親鸞・如信・覚如・善如・綽如・巧如・存如・蓮如・実如・証如・顕如・准如・良如・寂如・住如・湛如・法如・文如・本如・広如・明如・鏡如・勝如です。本徳寺の歴代は実玄・実円・実勝・証専・顕妙・准専・准圓・寂圓・寂宗・住最・法静・法依・本聞・広浄・広要・昭道となります。燈籠会中に安置された御影をご覧いただき当時のお念仏相続の歴史に思いを巡らせていただければこの上ない事であります。外陣からこれらを拝察すると本徳寺の歴史的特性が今に蘇ってきます。(本徳寺では長い年月の間に欠損が生じています。本願寺歴代では4幅、本徳寺歴代では6幅が欠損しています。)なお、本願寺と本徳寺の間では歴代の相互入寺が見られます。参考までに「本願寺/本徳寺歴代系譜」をご覧下さい。