『得至蓮華蔵世界 即証真如法性身』

 

人はどこから来て何処へ行くのか?

我々が抱える最大のテーマである。

「蓮華蔵世界」は、もとは華厳経に説かれている浄土であるが、

親鸞聖人は『阿弥陀経』に説かれる阿弥陀仏が示す極楽浄土を指す言葉として引用された。

 

「極楽」(阿弥陀仏の浄土)と申すはかの安楽浄土なり、

よろづのたのしみつねにして、くるしみまじはらざるなり。

かのくにをば安養といへり、曇鸞和尚は、

「ほめたてまつりて安養と申す」とこそのたまへり。

また『論』(浄土論)には「蓮華蔵世界」ともいへり、「無為」ともいへり。

「涅槃界」といふは無明のまどひをひるがへして、無上涅槃のさとりをひらくなり。

(唯信鈔文意)

 

続けて聖人は蓮華蔵世界とは則ち「無為」であり、「大涅槃界」であると示された。

涅槃とは「釈尊が涅槃に入る」と表現される様に、

涅槃界は「仏となる世界」つまり「仏しかいない世界」である。

蓮華蔵世界は仏しかいない世界であるという概念は、

人が浄土に生まれるという前提条件をもって、

蓮華蔵世界に人は入る(生まれ変わる)と同時に仏になる、

これが往生即成仏の証明である。

これをストレートに表現したものが

至蓮華蔵世界 即証真如法性身』(阿弥陀仏の浄土に往生すれば、 ただちに仏となる)

正信偈の一節である。

 

 

2018年亀山御坊麗姫会主催の報恩講と追弔法要が勤まります。

日時/平成30 年11月4日(日) 午後1時より 

場所/亀山本徳寺本堂 

この麗姫会報恩講並びに物故者追弔法要を勤めるにあたり、

宗祖親鸞聖人が残された「正信偈」の味わいをもって遺徳を嘆じ、

麗姫会物故者ご遺族の方々おかれましては、先達への弔いを通して、

阿弥陀仏の示された極楽浄土のありさまと、現世に生きる我々こそが

その浄土への往生を願うべき身であること説く「阿弥陀経」を

謹んで厳修させていただきたく存じます。

両座とも、比較的慣れ親しんだお経でございます。

皆様とご一緒にご唱和いただけましたら有りがたい事であります。

宜しくお願いいたします。