茶所
建築年代: 安永三年五月(1774年)(屋根普請の年代・建設年代は不明 )
<獅子口銘>安永三年三月甲午之天 五月吉祥日
亀山御坊 御茶所之大棟獅子口 播陽姫府 竜野町四丁目
瓦工棟梁 卓堂大古瀬市座左衛門信成造之
建物覚書には縦七間横六間半、天正八年三月とあるが現存のものかどうかは未確定である。『播磨鑑』(宝暦年間1751~1764の書物)によると
本徳寺伽藍建造物として既に茶所が記載されてはいるが、この時と同じ建物かどうかは特定困難。
構造形式: 主要実長正面六間、側面四間、入母屋造、本瓦葺。
一部、根太天井後代に、入母屋の主屋の背後に(東側の長辻堀の間)炊事場、ならびに、床の間を設置した付帯施設を、
門信徒の増加にともない拡張増設してある。
細部手法: 平面は吹放しの土間・板間を主とする表側と、座敷等を主とする後側にわかれている。妻飾狐格子。
備 考: 中央部に仏壇を配置し住居的な形式をとっている。門脇に位置し、門信徒の休息所。
茶所は今でいう喫茶である。土間には由緒桐の紋が入った銅製の釜が置かれ、常に湯が涌いていたという。
今は、この釜は霊亀の庭に移されている。参拝の門徒衆が弁当を広げたり、一服の休憩所として活用されていた。
今でも、毎月第四日曜、御坊の楽市楽座の時には喫茶ならぬ抹茶の一時を味わうことができる。
1984年6月15日 指定文化財 ・ 市指定
1985年 修復工事・屋根替え
経堂
建築年代: 18世紀中頃(推定)
享保十一年(1726)本徳寺資料(石碑)
享保十一年三月九日(1726) 縦五間 横五間 建物覚書
構造形式: 方三間もこし付經堂、方形造、本瓦葺
細部手法: 基壇上に建つ、もこし付きの方三間の堂で、中央に八角輪蔵を置く
床は磚敷、唐様で軸部は円柱、もこしは海老紅梁でつないである。
組物は三手先爪物組、中央桟唐戸
両脇花頭窓、連子欄間
特 徴: ほぼ唐様でまとまった経堂で、この種の例が少ないだけにきわめて貴重である。
備 考: 1988年2月17日 屋根部・擬宝珠部(表裏)・天井裏・回り書庫の内部・建物内部を隈なく調査するも、建築関係資料は発見出来なかった。
篇額は「竜谷山貝葉林」と刻まれている。
1984年6月15日 指定文化財・市指定
1990年3月20日 指定文化財・県指定
2005年 台風被害のあった屋根部を補修
輪蔵に収納の黄壁版一切経はすべて取り出し、本堂の後堂廊下に安置している。